よくある質問
家紋はお墓に彫るの?
家族で調べることが、大切なことです。
いま、生活していく中で、家紋が必要とされる場面は非常に少なくなってきました。しかし、これまでの日本の歴史の中で、どの家庭の方も家紋があり、置物や節句の際に表記をしたりと大変大切にされてきたものです。
現在では、結婚式の際に「紋付き袴」を作られる方も少なくなってきました。基本的には着物レンタルの方が増えており、ご自身の家紋とは全く関係のない「丸に違い鷹の羽」などが刺しゅうされた着物で結婚式されている方が多い様です。特に男性は着物を着る機会が減り、自宅に着物をご用意されている方は非常に少数ではないでしょうか。
女性の方は男性と比べ、黒留袖(江戸褄)をご用意されることがあり、また冠婚葬祭の場でお着物を着られる機会も多く、男性に比べて家紋を一度お調べになっている方も多い様です。
しかし、注意をしなくてはならないのは、女性が留袖を作られる場合ほとんどは「ご自身の生家の家紋」が刺しゅうしてあり、実は参考にすることができません。
例えば、山田家のお墓を建てる時にお母様のお着物の家紋を確認すると「山田家の家紋」ではなく、「お母様の実家の家紋(佐藤家より嫁がれたのであれば「佐藤家の家紋」)」が刺しゅうされている為、山田家の家紋ではありませんし、奥様のお着物も生家の家紋なので、参考になりません。女性の着物で確認するのであれば山田家の生まれの女性の着物を参考にしなくてはいけません。この場合は山田家の姉妹の方や、お父様の姉妹に当たる方になります。
ただし、女性のお着物自体が家紋を変えている可能性もあるため、そこも注意しなくてはいけません。家紋を変えるとは「丸に下り藤」が正しい家紋なのですが丸をなくし「下り藤」に変えるなどが良く見受けられます。出来れば女性の着物ではなく、ほかのもので確認されたほうが無難でしょう。
お客様でよくお持ちになられるのが「お葬儀の写真」です。実はこちらも注意が必要なものになります。お葬儀の時のご親族の方たちは、非常に忙しく、家紋を決定される際もお時間がほとんどないため、しっかりと確認をせずに決めてしまうことがございます。また、たとえ若干違っていても、親族の方がそれに対しご注意をされることもほぼありません。間違ったまま墓石店にお持ちになり、彫刻直前で間違いが判明したなんてこともあるようです。しかしこれは、葬儀当日のあわただしさを考えてみれば仕方のないことだと思います。
本家のお墓というものが一番確認できる可能性としては高くなります。お墓の水鉢などに刻まれているものを確認していただくことが、最も確実になります。
お墓の家紋を確認するという事は、お墓参りをされることと同意語になります。そのようなことを家族でされることが、お墓を建てることの一番大切なことかもしれません。
お墓を建てられる過程の中で、家紋など確認されることは、時間がかかったりすることです。しかしそういった行為の中で、ご家族のきずなや、先祖の大切さなどがより伝わってくるのではないでしょうか。
「墓石に家紋を彫刻する」という事が大切なことというよりも、ご家族皆さんで「家紋を調べる」という行為が、「家族のきずなを強くする」事だと思いますので、その視点から家紋を彫刻するのをおすすめさせていただきます。